Vol.13   陳列の作法

 盆栽飾りに必要な陳列作法や技法など、基本的事項の指標として信ずべきものを、「雅道山本流教本 / 山本一千著」より長くなりますが、ご参考として以下( Vol.13.1〜13.2 )に引用します。 
”真・行・草の位の順序”につきましては、各人・各流派などで、微妙な差違が生じることをご承知おきください。

 Vol.13.1   基礎事項

 小品盆栽飾りに必要な真行草体陳列作法や遊間技法などもさることながら、それ以前の基本的事項で過ちを犯さないための考え方をここで再確認しておく。
 精神文化を遊ぶ席主としての姿勢を正すことがその第一歩。 これは精神的な心得だけでなく身体の動作や挙措についてもいえることであり、品位ある行動を心がけたい。

  • 自宅で誰に見せるでもなく楽しむならいざ知らず、出陳品と飾り方を見ればその人柄までが理解できると言われるくらい陳列は厳しいものである。
  • 陳列は「飾らせて項く」という謙譲の心を持って行なうこと。拝見する場合も同様である。この礼法なくして盆栽は芸術となり得ないことを銘記する。
  • 出陳品の鉢数は基本的に 2 をはじめとして 3、5、7 などの奇数とするが、自然を対象とする飾りには偶数の 2、4、6 などのほうが奇数より大きな景を現出できることもあるので、飾りの意図即ち席想をしっかり把握して構想する。
  • 出陳品は、必ず培養・持ち込みの良いものであること。
  • 樹は、飾る前の入念な手入れはもちろん、塵一つ残さぬように綺麗にしておく。
  • 表土はさらに念入りに清め、(臨時の張り苔ではなく) 出来るかぎり持ち込みの苔の乗ったものを。
  • 樹と鉢の調和(鉢映り) は必ず考える。鉢類はすべて充分乾拭きし、丁寧に扱い、水気を去って少しの汚れも付けておかぬこと。
  • 飾り棚その他一切の物は乾拭きのうえ、時には植物油等で拭き上げておく。そうしておけば棚上で鉢をずり動かすなどの、不始末があった場合でも比較的傷がつかない。
  • 飾り棚上に出陳品を置く場合、必ず上方から静かに下ろすようにし、決してその場でずらさない。棚上での位置変えの際も同様。展示会搬出時の取り扱いには特に注意する。
  • 棚飾り等において主飾りに副飾りを添えるに際し、各段ぎっしり飾り詰めて、主飾り・副飾りの判別に苦しむようなことがあってはならない。主飾りとして格のある力強いものは一、二点とし、余白美を念頭に置きながらさらに軽いもの(草物・添配等) をあしらい、主飾りおよび全体を引立てるようにはからう。
  • 盆栽・水石・添景小点などを据える際、その流れに留意し、流れを生かすべく、流れのある方に余白を設ける。ということはつまり、流れのついていない方に幾分片寄せて据えるということである。
  • 小品盆栽棚飾りの場合、唐木材などの棚上にさらに、唐木の小卓・地板などを置いて盆栽を陳列することは避ける。常法にないばかりか狭い棚上のスペースを、一層狭めることになる。各棚そのものを地板・小卓とみなして、少しでも余白を取り、鷹楊な飾りを心掛けること。ただ、特別な場合として懸崖・半懸崖・吹流しなどの形姿のものは卓を使用することも許容される。しかしその場合でもなるべく、棚と材質の異なる卓を使用すること。
  • 道具立ての流れとバランスの順序。

    ●大から小へ   ●強から弱へ

    ●厚から薄へ   ●高から低へ

    ●深から浅へ   ●密から疎へ

    ●太から細へ   ●角から丸へ

    ●動から静へ





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