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Vol.14 盆栽とは飾って楽しむもの
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今や日本だけでなく、世界のあらゆる所で文化・芸術の一つとして、捉えられている盆栽ですが、では、盆栽の本質とはいったいどんなことなのでしょうか? 盆栽とは読んで字のごとく、盆(鉢)の中で植物を栽培していくものです。 しかし、ただやみくもに木や草を育てればいい、というものではありません。 自然味溢れる美しい盆栽にするためには、基本が大事なのです。その基本とはいったいどんなものなのでしょうか。
Vol.14.1 盆栽とは
盆栽は手軽に、持ち運びできる鉢に、樹木などを植えて育て、その姿があたかも、自然の中にある風景の一端を、感じらさせるような、樹形に作り上げていく。 そして、それを観賞するものです。 植物を鉢に入れて育てる、という部分では鉢植えと同じですが、その目的は大きく異なります。 鉢植えは、花や実、そして葉など、植物自体の持っている美しさを、楽しむものです。 それに対して盆栽は、盆栽によって呼び起こされる、自然や風景を楽しむのです。 例えば旅行などをして見た美しい松林、山の崖から生えていた力強い樹木、そんな自然の中にある風景を鉢の中で表現するのです。 つまり、大自然を縮小した、小さな世界を人間の手で作りだして、それを、床の間などの室内に飾り、小さな大自然を楽しむ、それが盆栽の楽しみです。
Vol.14.2 盆栽の目的
盆栽の目的は、あくまでも家の中など、室内に飾って楽しむもの。 自然に生えている大木などは、家の中に持ち込むことはできません。 必然的に、床の間に飾れるような大きさ(床の間の寸法から割り出して、二尺=60cm位が、基準になります。)の、樹木に育てることになります。
人間一人で、持ち運びが出来ないものは論外ですが、だからといって、小さな若木では、自然が持つダイナミクスは、創りだせません。 そこで、小さくても何十年も生きてきた、古木のような味わいが、必要になってきます。
つまり、大きく成長せず、なおかつ大木のような姿の樹木を、鉢の中で育てていくのです。 そして、大自然を再現するのですから、自然の中にある、あらゆる種類の樹木が、その素材として使われています。
盆栽用に開発された大きくならない、特別な小さい樹木というものはありません。 もちろん向き不向きはあります。 そこで、樹種ごとの性質を見極め、芽を摘んだり、枝を切ったり、枝や葉をこましたり培養技術を駆使して、なるべく小さなサイズで、立派な古木のような風格を、育んでいくのです。
まさに人間の英知を絞り、大自然を縮小したものが、盆栽なのです。 そして、これらを愛でるこころが、文化だと思います。
Vol.14.3 盆栽の歴史
BONSAIという言葉は、今や世界で通用する、日本語となっています。 茶道、生け花、相撲、歌舞伎、禅などとともに、日本の文化を代表するものの、一つとされる盆栽は、どのような歴史があるのでしょうか。
盆栽が生まれたのは中国といわれています。 唐の時代には盆景などと、呼ばれていました。 また、2000年ほど前の、中国の文献に『昔は盆栽が非常に盛んで、流派がいくつもあった…… しかし、今はすっかり廃れてしまった』というような表記があり、その以上前から、中国では盆栽が楽しまれていたと推測されています。
わが国では、文献などによると鎌倉時代には、すでに盆栽の表記があり、平安時代には既に到来していた、とも言われています。 その後、茶の湯文化などとともに室町時代ころから栄え、江戸時代に入ると、大名などの特権階級だけでなく、町人にまで広く親しまれるようになりました。
この頃になると、鉢の方も趣向を凝らしたものが増え、諸国大名の間で園芸ブームが起こり、さらには植木鉢専門の焼き物師が現れたりしました。 現在のような、“自然美盆栽”のスタイルが定着したのは、明治期以降と言われています。 そして、昭和20年代以降、海外でも愛好者が急増して、大きな展覧会がしばしば、開催されるようにもなっております。
Vol.14.4 盆栽の大きさについて
盆栽の大きさについては、特に明確な基準は定められていませんが、大きさの上限は一人で持ち運びが出来る大きさ、そして小さい限界は、その樹種の特徴を表現できる大きさと言うのが、盆栽と呼べる範囲ではないでしょうか。
サイズに対する意識が深まって来たのは、培養を主に楽しんだり一つ一つを手にとって鑑賞していた時代から、現代のように席飾として鑑賞する、コンテスト形式の展示会が盛んになって来たことも理由に挙げられます。 また、商業的な影響も少なからず受けていると思われます。
よって下は確定した明確な基準ではありませんが、現在一般的な呼び名とされているものを、樹高により分類すると次の様に分けられます。 樹高を図る場合は、鉢上縁面より計り、懸崖樹形では樹の上下を計ります。
| 盆 栽 |
大型盆栽 |
| 小物盆栽 |
盆 栽 |
大物盆栽 |
| 小品盆栽 |
中品盆栽 |
大物盆栽 |
| 小品盆栽 又は、ミニ・ボンサイ |
雅風盆栽 |
貴風盆栽 |
中品盆栽 |
大物盆栽 |
大型盆栽 |
| 豆盆栽 |
ミニ・サイズ |
25cm位まで
のもの |
13cmから25cm位までの樹格が充実したもの |
25cm位から
35cm位まで |
30cm位から
60cm位まで |
61cm以上、
1人で持てる大きさまで |
91cm以上、
数人で持てる大きさまで |
| 7cm以下 |
7.1cm以上、
10cm位まで |
これらはあくまでも樹高による呼び名で、明確な寸法基準ではありません。
また ”雅風盆栽” (がふうぼんさい)の様に、樹高寸法(13cm〜25cm位)と共に樹格の充実度(悠雅小品盆栽登録樹に相当)も重視して、呼称されるものも有ります。
また、盆栽業界では、樹高約30cm(1尺)位以下を総称して、”小物盆栽”(こものぼんさい)と言うこともあります。 そして、時には”小物盆栽”=”小品盆栽”として、扱われる場合もあるようです。 ちなみに”小物盆栽”に対して、樹高約60cm(2尺)位以下を”盆栽”、それ以上大きいものは”大物盆栽”と呼ばれています。 これは室内(伝統的な和室、床の間など)で、盆栽が鑑賞されてきた歴史的な素因によると思われます。
協会では樹高基準を定めていませんが、協会が主催する全国的な展示会では、盆樹としての充実度・完成度や、飾りとしての美的調和を、審査する都合もありますから、一定の審査基準 (全日本小品盆栽協会の例) として、その都度発表しています。 審査に応募される方は確認して下さい。 最近では一般の展示会でも、これに準じる傾向にあります。
一般的には普通サイズの盆樹に比べて小型のものの内、樹高25cm位以下を、”小品盆栽”と総称(海外では、10インチ以下はShohin、またはスモールボンサイなどと呼ばれています)して呼び、これ以上の樹高のものを貴風盆栽と呼ばれているようです。
樹高を図る場合は、鉢上縁面より計り、懸崖樹形では盆樹の上下を計ります。
何れにしましても、盆樹も植物でありますので、年々僅かずつ太く大きく成長してまいります。 技術である程度、カバー出来ますが、大きさを維持する事にこだわり過ぎることは、必ずしも樹格向上には結びつきません。 その樹の特性を生かしつつ、樹形構想を立てて樹格の充実を愉しみたいと思います。
初心者の方は、あまりサイズにはこだわらずに、ご自身の環境にあった大きさで始めましょう。 小さく維持管理するのは、思いの外大変ですし、大きすぎると場所もとります。 お茶碗程度の鉢に入る大きさ位から始めてみましょう。
審査会を目標に盆栽を育てることも楽しいでしょうが、身近に飾って楽しむのも良いものです。
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Special thanks to Susi Poulson, Issen Yamamoto, Masaru Urabe, Kindai Bonsai,
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Appearance : 2000/10/26 , Last modified: 2004/08/20
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