|
|
Vol.22 資料編 / 道具類、飾台 1-4
|
飾り棚は、今や小品盆栽飾りに、不可欠の物となっていますが、現在のような棚が作られるようになったのは、明治末期から昭和初期の頃のことです。 江戸末期から明治にかけて、いわゆる文人趣味が盛行し、文人たちは茶棚や中国製の、骨董品を飾る棚を流用して、小盆栽や水石、文房具などを、身近に飾って楽しんだと伝えられています。 小品飾り棚は、この伝統を踏まえ、松平頼寿伯爵など小物盆栽の先駆者たちが、唐木細工師に特注して作らせたものが、原型となりました。
現行の小品飾り棚も、その材質や形状によって、真・行・草に分けられ、真の主木を中心とした飾りには真の棚を、行体が主木なら行の棚を、草体なら草の棚を用いる様にします。 しかし手持ちの棚には限りがあり、あまり厳密に考えると、使える棚がなくなってしまうので、位取りを重視しつつ出来るだけ、バランスの取れた飾りとなるように、心がけることが大切になります。 卓、地板頬についても同様です。
形状は基本的に、重厚で力強いものほど真の要素が強く、柔らかく繊細なものほど草の要素が強くなります。 また材質では、唐木(紫檀、累檀、鉄刀木、花梨など)が真。樟、桑、楓や黄楊をはじめとする雑木物が行。 竹、葦、その他軽妙な材の物が草に分けられます。 表面仕上げでは、基本的に漆塗りを真とし、素地仕上げが草で、中間的な形態が行となります。
Vol.22.2.1 紫 檀 (したん)
インド及びセイロン島原産の豆科の植物。 幹径が四〜五センチの巨木もあるようです。 材質は堅く、心材は暗紅紫色で美しい。 堅木材の代表格だが、その良材は、江戸時代末期までに切り尽されたようである。 それらは古渡り紫檀と呼ばれ、特に珍重されている。 これらの用材は、切り出されたからといって、すぐに使用されたわけではなく、少なくとも十年、二十年、場合によっては半世紀近くも寝かせておいて、材質の狂いをなくすように努めていたようです。
Vol.22.2.2 黒 檀 (こくたん)
インド及びマレー原産のかきのき科の常緑高木。材質は堅く、心材は木目がこまかくて堅い。 心材の色は、光沢をはなつ黒色で美しい。 唐木といえば、紫檀・黒檀と一口にいわれるほどの代表的な堅木です。 別名を、烏文木・烏木・黒木と言う。 普通、高級なソロバンの枠材として使われているため、なじみが深いようです。 卓に作った場合には、紫檀とは異なり黒色の地肌が冷たく、鉱物的な美しさ、光沢をあらわします。
Vol.22.2.3 鉄 刀 木(たがやさん)
インド及びマレー原産の豆料の植物。 喬木で材質は堅く、独特の味わいを持っています。 この木の持つ豪華さ、美しさが珍味家に好まれるようです。 鉄刀木は、紫檀・黒檀と並ぶ代表的な唐木細工だが、その材質の堅さからその名称が付いたといわれています。 これも、紫檀と同様に、古い時代に産出したものほど、材質は緻密で良材であったと言えます。 材質の堅いものなので、取り扱いには十分な配慮が、必要だということは、他の卓類の場合にも同様ですが、特に、鉄刀木には、もろい面があるので注意が必要です。
Vol.22.2.4 花 梨 (かりん)
盆栽家にはなじみの深い、花梨樹のことです。 バラ科の落葉高木で、中国からの渡来樹で、古くから庭木や実物盆栽樹として栽植されていました。 もちろん用材として使われるものは、中国を原産にするものがほとんどで、幹周は二メートルを超すものもあったようです。 従って、用材としての産出も多く、ごく一般的に使われ、普及品的な性質を持つ用材です。 ただ、同じ花梨材であっても、木目の荒いものと細目のものがあり、ごく良い質のものは紫檀とも見違えるものもあるほどです。 花梨材の木目には、縮れ目・五目等のものがありそれらを用材にして卓に作ったものは、独特の風趣がかもし出され、紫檀と同格に扱われる場合もあります。
Vol.22.2.5 黄 楊 木 (つげ)
わが国に自生するツゲ科の常緑小高木。木目・地肌の美しい堅木で、関東以西の各地に、多少品種の違ったものが自生しています。 用材として使われるのは、本つげで、これは伊豆七島に自生するものに限られています。 昔から、印材・版木・櫛・将棋の駒に作られ、緻密な材質と持ち込むに従って、にじみ出る自然な着色の美しさが、この材の特長です。 これだけの材質なので、卓材にも使用されていたわけですが、あまり大きなものは、作られることはなく、中卓・小品卓程度のものに使われることが多かったのです。
Vol.22.2.6 竜 眼 木 (りゆうがんぽく)
中国原産のムクロジ科の常緑高木。 雌雄異株の樹木だが、果肉は食用・薬用になります。 竜眼木は、それほど堅木ではないが、木目は細かく、持ち込んで年代が経つと光沢を放ち、落着いた色合いに変って来る特長があります。 竜眼木には、用材としては根の部分も使った天然木が多いようです。
Vol.22.2.7 唐 桑 (からくわ)
中国から渡来した桑材のことです。 材質は密で、柔かい光沢を生じます。 桑卓の特徴は、その趣の柔らかさにあって、雑木類の卓としては重宝します。
Vol.22.2.8 舞 ぶ ど う (ビラン)
おそらくビランのことと思われます。 和名をばくちの木といい原産地は、インド・中国と言われています。ばくちの木の葉からは、ばくち水という咳止め・鎮静剤が取れます。 この木の特長は木目にあり、球状に入り混じっているため、樹輪目(別名・ぶどう目) になっていて、大変趣のあるものです。 舞ぶどうという呼び方も、木目の状態から名がついたと思われます。 もちろん、ビランはぶどう科ではありません。 ぶどう料の樹木では、用材になるほどの太さに生育するものはありません。 比較的古い時代から作られていたようで、舞ぶどうのこれらの作品は、言い尽せない風格があります。
Vol.22.2.9 黒 柿 (くろがき)
台湾・フィリッピンに自生する柿の木科の常緑高木。材質は、芯部は黒く、木目も細かく堅い。 材質は、黒檀に似ていてる所もあるが、黒の縞目と褐色の縞日の織りなしたような美しきがあります。 材は、光沢が少なく、むしろ艶消しと言えるような肌目のものに柔らかみ、趣といったものがあります。 幅広い板目のものは取れないせいか、中品・小品の作によいものが多く見られます。
|
|
前のページに戻る場合は、ブラウザの”戻る”ボタンを使ってください。
全てのページにおいて、 文章・画像および写真の無断転載を一切禁じます。 |
To come back to the previous page use the "back" button on your
browser.
No photos, images and texts may be used without permission.
Copyright(C) Higuchi Takeshi and MIYABI BONSAI-ART All Rights Reserved.
Copyright(C) GREENNOTE Inc. All Rights Reserved.
MIYABI BONSAI-ART is sponsored, designed and maintained by GREENNOTE, Inc.
Special thanks to Susi Poulson, Issen Yamamoto, Masaru Urabe, Kindai Bonsai,
El Dorado Bonsai School.
Appearance : 2000/10/26 , Last modified: 2003/04/08
|
|